top of page

​「障害者のリアルに迫る」

 東大ゼミについて

「(東大で)アフリカの貧困を考えるのは大人気で、国内の障害者のことを考えるのは不人気なのはなぜなのか。きっとそれは差別とかではなく、障害のある人たちの抱える大変さに無関心なわけでもないと思う。『障害のある人を差別してはいけない』『障害のある人に対して配慮やサポートをしなければならない』という絶対命題に辟易し、無意識のうちに腫れ物のように遠ざけてしまっているからではないだろうか。

 そしてもう一つ。東大生には、『福祉=自分たちが関わる分野ではない』といった意識があるのだろう。福祉分野で活躍してもかっこいいとは思わない。知的好奇心をかきたてられる分野でもない。(…)

 なぜ、『障害』という言葉や存在は人々から敬遠されなければいけないのだろう。なんで腫れ物のように扱われなければいけないんだろう。

 東大生たちが障害者に目を向けるようになったら。『福祉』系のサークルが集まる教室が、柔軟な頭と高い感受性と強い意志をもった新入生であふれたら……。東大で障害者問題をメジャー化しよう、そう思った。」

 

(--『障害者のリアル×東大生のリアル』プロローグより)

「障害者のリアルに迫る」東大ゼミは、経済学部の学生によって、2013年に開講されて以来、有志の学生により運営されている自主ゼミナールです。

 「障害」や「障害者」について、固定観念を打破しタブーなくリアルに迫ることを目的として、講義にとどまらずあらゆる活動を展開しています。身体障害や知的障害といった一般的に知られる「障害」だけでなく、ハンセン病元患者や依存症者、性的マイノリティなど、広い意味での「生きづらさ」を抱える人々に目を向けながら、受講生に一方的に知識を伝えるのではなく、障害をめぐる問題に触れる中で生まれるさまざまな疑問や悩みについて、一人ひとりが自由に考え、感じることのできる場所を目指します。

 自主ゼミ/全学自由ゼミ(前期教養学部)として駒場キャンパスで開講される授業では、障害をめぐる歴史や制度について学ぶのではなく、障害当事者や関係者のリアルな息づかいや生活、人生に触れることを目的としています。

 毎回の授業後には、ゲスト講師を囲んだ懇親会がひらかれ、授業で聞ききれなかったことを熱心に尋ねたり、活発な議論を交わしたりする姿がみられます。

 授業外でも、有志の学生の興味・関心に合わせ施設・団体訪問をおこなったり、イベントを開催したりと、活発に活動をおこなっています。

​ 

外部顧問

野澤和弘

(毎日新聞論説委員)

1959年、静岡県熱海市生まれ。

1983年、早稲田大学法学部卒業。

1983年、毎日新聞社入社。

2007年から夕刊編集部長。2009年から毎日新聞論説委員。

現在、植草学園大学客員教授、上智大学非常勤講師など。

自身も自閉症の息子を持ったことがきっかけとなり、障害・福祉分野に長年取り組み、現在も講演活動などでひろく活動中。

2014年より、本ゼミの担当講師・顧問をつとめる。

bottom of page