「障害者のリアル×東大生のリアル」まであと2日になりました!
本日は、馬場拓也さんのインタビューをご紹介します!
馬場さんには、Zoomでインタビューを行わせていただきました。
ぜひご覧ください!
――まず、リアゼミとの出会いについて教えてほしいです!
ごめん全然思い出せないです(笑)。
リアゼミとの出会いっていつなんだろう。
そうやって言われると、野澤さんであることは間違いないです。いつっていうのは思い出せないです。野澤さんから、東大の学生たちに話を聞かせてくれって声をかけられて。それがリアゼミとの出会いですかね。
――リアゼミとの1番の思い出を教えてください!
2019年12月10日、歌舞伎町でやった伝説の居酒屋ゼミですね。居酒屋の壁にプロジェクターを当てて授業みたいなことをしました(笑)。
居酒屋でゼミのみんなと呑み始めてから、話の流れで。居酒屋って貸切でパーティーとかするじゃないですか。だからちっちゃいプロジェクターとかもしかしてあるんじゃないかって話になって。案の定あって。「よし!今からやろう!」って、持ってたパソコンに繋いで授業することになりました。語り合いの場だったのがレクチャーになったんですよ。
野澤さんも学生もみんな酔っ払っているから、最後のほうはベロベロで僕も、「だからさぁ・・・!」みたいな(笑)。もう全然うまく喋れないんだよね。
「まあでも結局そういうことじゃんか・・・」みたいな(笑)。「あ、ごめん間違えちゃった」みたいな。そんなグダグダな感じで授業しましたね(笑)。なかには意外とシラフな子もいてガチ質問来て頭回らずみたいな。こりゃ、だめだなぁと思いましたが、でもめちゃくちゃ楽しかった思い出ですね。
――リアゼミで講義をすることは、馬場さんにとってどのような意味を持っていますか?
新しい視点を獲得しに来ているかなという気がしますね。僕が提供しに来ているっていうよりは、僕がみんなに壁打ちして返ってくるレスポンスみたいなものを、「なるほどなあ。そういうふうに見るか。」って持ち帰れることはやっぱりありますね。
年齢も違うし、価値観も生き方も違うし、多分そういう違いはあると思うんですよ。まあ共通点もあると思うけど、異なる部分というのはあると思うんですよね。
彼らの視点ではそうゆうことなのかというのを感じて。そして、それを面白がりたいと思っています。
――馬場さんが今後のリアゼミに期待することがあれば教えてください!
うーん。特にないですね。期待することがないっていうと語弊がありますけど。
議論することとアクションをすることを掛け合わせて何ができるのかは見てみたいですね。思考力と行動力。
「行動力」とは何かっていうことを履き違えている人が意外と多いと思うんです。すごい動いている人のことじゃないんですよ。
気づけば、行動することが目的化してしまっている時ってあるよね。動くことが目的化してしまって、散々動いて、急にはっとする時があるっていうか。僕もそういう時があるんですけど。それって自分探ししている時期だったり、何か現状に不安や不満を抱えている時期だったりしてね。でも、まぁ確かにとにかく動くことが大事な時期もあるんだけどね。
とはいえ、最終的には行動力って、数撃つことではないと思うんです。もっと本質的なところで、自分はこれをやると決めること、そしてそれを果たす力のことだと思うんですよね。
つまり、自分が具体的にこれをやるという意思決定。そして、「やっぱやめようかな」っていう色んな誘惑があっても、それを絶対実行して果たすことを僕は行動力だと思うんですよね。つまり、そういった一つひとつの意思決定の反復と積み上げなんだと思う。
なので、リアゼミで考えること、思考していくこと、議論することは既にやっていると思うし、それは比較的みなさんの得意な領域だと思うんですよね。僕なんかとはそもそも頭のCPUが違うからね(笑)。
それこそ悲しみが出発点なのか怒りが出発点なのかわからないけれども、それを実行、実践に変える人が出てくると、やっぱり面白くなるだろうなって思います。
御代田君*が本出したじゃないですか。御代田太一。あいつは今度コンサルティングファームに行くわけですけど。やっぱりあいつは結構センセーショナルだったんですよね。
福祉に行くと決めて、そこから紆余曲折しながら、次はコンサルに行くっていうのは、これはとっても面白い「東大卒」の使い方というか。客観的に上手いなっていうかな。もちろんそんなに計算高くやってきたとは思ってないけど、そうゆう「道」をつくることが面白いです。自分という素材を活かしたなという。だから、そういうことが増えていくと良いなって思う。みんなから猛反対くらって、親から猛反対くらって、福祉に行ったんだけど、そのことによって、自分の商品価値を上げている。
で結局、単著で本も河出書房新社から出して。そこにはもう東大卒という枕詞ではなく、御代田本人の努力も必要だし勇気も必要だったと思うんだよね。
*リアゼミ卒業生。大学卒業後、滋賀県の社会福祉法人に就職。今年6月、自身初の単著『よるべない100人のそばに居る。〈救護施設ひのたに園〉とぼく』を河出書房新社から出版。
そういう行動力っていうか、自分が言ったことを果たしていく力みたいなことを発揮して欲しいと思っています。やると決めたことをやって、でもそこで骨を埋めるってよりは、その何年間かの現場経験のなかで抽出した部分や感情を、コンサルテーションや広い分野に網をかけるように活かすのとは、通常と一味違うルートで面白いですよね。
彼は今後も上手く社会をアレンジをしていける逸材になって欲しいなって思っています。福祉どっぷりじゃなくて良いから。
そういう人が東大から何人か出てくると面白いなって思いますね。学んで感じて終わりじゃなくて。行動に移す実践家としても。
東大のリアゼミの人たちは、たまたま「知ってしまった社会課題」の解決をNPOとか一般社団とか株式会社とか、もちろん社会福祉法人でも、形は何でもいいんですけど、そういうアクションをする人が出てくるとこれは世の中が面白くなるなって思いますね。
■PROFILE
馬場拓也(ばば・たくや)
有名アパレルブランドブランドを退職し、2010年から社会福祉法人愛川舜寿会2代目経営者となる。
特別養護老人ホーム「ミノワホーム」と障害の有無によらずともに過ごすインクルーシブ保育園「カミヤト凸凹保育園+plus」を経営。
また、「春日台センターセンター」を運営し、地域の居場所づくりを行う。
共著に『わたしの身体はままならない(河出書房新社)』『壁を壊すケア(岩波書店)』ほか。
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