ついに12月10日に迫った10周年記念イベントに向けて,ご登壇してくださる佐藤裕美さんからのインタビューが届きました!
ぜひお読みください!
ーーリアゼミとの出会い、印象や思い出について教えてください!
私と同じALS当事者の岡部宏生さんのお声がけで、参加させていただいたのが最初です。
自分の考えていることやライフストーリーが誰かにとって意味を持つ、なんて考えたことのない人生でしたので、学生さん達の時間が無駄にならないようにと願いながら登壇したのを覚えています(今もそれは変りません)。
質疑応答の際、学生さんたちが一人称で堂々と自分の考えやその由来するところの経験などをお話しされる姿が印象的でした。ご自身たちの発言も含め、そこで交わされる発言の一つひとつが誰かの気付きや学びに繋がることへの確信(そしてそれはおそらく正解なのだと思います)と、受け止める他者が存在することへの無条件の信頼ゆえのことなのだろうと思いましたが、とても印象深かったのを覚えています。
ーーリアゼミで講義をすることは、佐藤さんにとってどのような意味を持っていますか?
自分にとって大事な何かを、自分の声の届かないどこかへ、自分が存在しなくなった後の世界へ、託す。
ーー佐藤さんがこれからのリアゼミに期待されることがあれば教えてください!
前述のように、私は自分の言葉が他者に対して意味を持つということを信じられないままに生きてきました。それは、私自身の傾向や、言語化することに慣れてこなかった人生の時間や、私に自分自身の言葉を信じさせなかった周囲や社会のありようや、そうしたものの混じり合った結果なのだと思います。
私は障害者やALS患者や、生きづらい人たちの代表ではありません。
世界には、聴かれなければならない言葉や、一人称では語れない思いを持ちながら、痛みや怯えの中に押し込まれたまま毎日を生きねばならない方が大勢おられます。
言葉にすることを躊躇い、声に出す手段や機会を奪われている人たちへの思いを常に心に留めながら、学生の皆さんには、これからも生のリアルを見つめ続け、人が生きるということについて考え続けていただけたら嬉しいです。
■PROFILE
佐藤裕美(さとう・ひろみ)
ALS当事者。2014年頃から徐々に歩きづらくなり、2016年にシェーグレン症候群、2018年にALSの確定診断を受ける。
ブログを通して、病気との生活や自身の考えについて発信活動を行なっている。
NPO法人「境を越えて」理事。
♦︎佐藤さんのブログ「書くこと。生きること。:Hiromi's Blog」はこちらから!
♦︎イベントチケットはまだまだ受付中です!こちらでご予約ください!
Comments